土壌水分計の自作 その3 土の抵抗値測定

土のキャパシタンスの測定

前回、コンデンサの容量を測定しました。今回は土の静電容量を測定しようとしました。

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ここで土にはコンデンサの役割と抵抗の役割があるので、回路図としては下記のようになります。土の静電容量がCで抵抗がR2です。
ただしArduino2PINと3PINは0Vまたは5Vを交互に入れて交流のような入力を行います。ArduinoA5PINでコンデンサ容量の電圧を測定します。

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前回と同様に、この回路の場合も土の静電容量Cは時間tを用いて表されます。
測定した土の電圧Vcから静電容量Cを求めましたが、静電容量が一定になりませんでした。
これは、時間と電圧のずれの影響が無視できないためだと考えられます。

土の抵抗値の測定

キャパシタンスの測定がうまくできなかったので、抵抗値を算出しました。
抵抗値の算出はいたって簡単です。
土のキャパシタンスに電流が流れなくなったときの状態を考えればよいのです。

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このとき土の抵抗R2は電源電圧V0コンデンサ電圧Vcを用いて、下記のように表されます。

R_2=\frac{V_C}{V_0-V_C}R_1

測定したコンデンサ電圧がこちら。3秒ごとに電流の向きを変えてます。
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乾燥した土と湿気た土で電圧が異なるのが分かります。この収束した電圧値を用いて先ほどの式で抵抗値を算出しました。
乾燥した土:4.5kΩ、湿気た土:3.0kΩ
水分量が多い土の方が抵抗が小さいことを確認できました。

まとめ

土の静電容量測定は上手くいかなかったので土の抵抗を測定しました。

・土の静電容量は測定が難しいのに対して抵抗値の測定は簡単である。
・湿気た土の方が抵抗値が小さいことを確認できた。
・交流のような入力を行えば電気分解は起こらない。