カーテン自動開閉機の自作 プロトタイプ2号機 構成部品
はじめに
カーテン開閉機のプロトタイプ2号機ですが、基本的な構成はプロトタイプ初号機と変わりません。
一方で細かいところは変えて、初号機からのバージョンアップを図りたいと思います。
今回はバージョンアップした部品を買い揃えましたので、それらの部品の紹介をしていきたいと思います。
電子部品の写真は撮ってませんが、ハードウェア部品は仮組み立ての状態で写真の通りです。
構成部品
ウィンチと糸:カーテンを引っ張る部分
タミヤの6速ギヤボックスHE(260タイプモータ付き)
以前のプロトタイプでは4速ギアボックスを用いており、今回のギヤボックスはそれより大きいものを使用しています。
前回のプロトタイプではギア比661.2:1、トルクは142.7mN・m、回転数は9rpmでした。
今回はギア比505.9:1で組み立てました。トルクは226.1mN・m(クラッチ作動時の測定値)、回転数は19.9rpmです。
そのため、前回よりもトルクも回転数もアップします。つまり、重いカーテンを約2倍の速度で引くことができるはずです。
プーリーとレジン
プーリーは前回と同様に100均のボビンを使用しました。
前回と異なるのは、ボビンの穴にねじ穴を作って、ギアボックスの軸と接続できるようにしたことです。
ねじ穴を作るためにボビンの穴に対応するM3のねじを設置し、隙間をレジンで流しこみました。
ボビンの穴の中心にねじを設置するために、クリアファイルで治具を作りました。
ちなみにレジンも100均で購入しました。
糸
台所にあった普通のタコひも135cmを使用しています。長さはカーテンの幅+αの長さです。
プーリに巻き付けることができて、カーテンを引っ張っても切れないひもであればいいと思います。
ウィンチを入れてカーテンレールに取り付ける部分
タカチの箱
前回同様に株式会社タカチ電機工業の箱を使用しました。
具体的にはOP125Bという外寸100 mm×45 mm×125 mmを購入しました。
ギアボックスが大きくなっているので、前回よりもサイズは大きいものを選択しました。
ギアボックスに合わせて箱のサイズを選択したかったので、箱のタイプも前回と違って開閉タイプです。
タミヤの板
前回同様タミヤのユニバーサルプレートを考えています。
取付金具
前回同様、部屋のカーテンレールの規格に合わせたウィンピアのダブルブラケットを考えています。
ギアボックスON/OFF切り替えスイッチ:カーテンを閉めれるようにする部分
板ばね
前回同様プラチックの半丸棒(3mm)を使用します。 まず、曲げない部分はアルミホイルで覆います。アルミホイル部分を手で持って曲げる部分を火で炙ります。そうするとアルミホイルで覆ってない部分が柔らかくなるので、棒を手で曲げて製作します。
スイッチ D2F-L
前回はアルミテープをギアボックスと板ばねに張り付けて、それらが接触したら導通する仕組みを適用していました。
しかし、アルミテープでは導通ON/OFFが安定しませんでした。(プロトタイプ2号機を作っている最中にわかりました。)
そのため、市販のスイッチを使うことにしました。
直方体の木
スイッチが押されたときに、板ばねが望まない方向に変形するのを防ぐためのものです。 今回は家に木の端材が転がっていたので、木を使いましたが、L字とかでもいいと思ってます。
装置を制御する部品
モータドライバ DRV8835 Item#2135
260タイプモータの停動電流は2.56 Aであるため、2.56 Aの電流に耐え得るモータドライバを選択する必要があります。
また今回は電池4本程度の電圧で動くようなカーテン自動開閉機を製作したいので、4.4V程度(エネループの電池を用いる場合は1.1 Vまで電圧が落ちると考えました。)で動作するドライバを選ぶ必要があります。
加えて、正転と逆転ができるドライバを選びたいので、フルブリッジ回路のドライバを選択する必要があります。
そのため、今回はDRV8835を選択しました。
これは1回路ごとに1.5 Aまで耐えることができ、2回路あるのでパラレルに繋ぐと3 Aまで耐えることができるドライバです。
また動作電源は2 V~7 Vです。加えてHブリッジ回路なのでフルブリッジ回路です。
詳しくはデータシートを読んでください。ピン配置はこちらです。
ESP32 DevKitC
動作電圧は5 Vです。モータを動かす電源で動かせるようにします。
ピン配置はこちらに載っています。
ACアダプタ GF24-US0540
乾電池4本程度で動かせる電圧設定で部品を選んでいますが、今回は100 V電源を使って5 Vで動かしたいと考えています。
よって5 Vを出力するアダプタを購入しました。
箱(モータ)、制御部品、電源を繋ぐコネクタ部品
3.5 mm4極ミニジャック MJ-064H
箱に取り付けます。モータ駆動用の電源配線2本とギアボックスON/OFF切り替えスイッチ用の配線2本の計4本を繋ぐために4極のジャックを購入しました。
3.5 mm4極ミニプラグ MP-435
ジャックに取り付けるためのプラグです。
2.1 mm標準DCジャック MJ-14
ACアダプタのプラグから2本の線に変換するジャックです。
XHコネクタ
オスは回路に、メスは電線にとりつけます。
SMコネクタ
回路の配線と箱の配線の中継に使います。
まとめ
今回の構成部品で初号機から大きく変わったのは、モータ付きギアボックスとモータドライバです。
低電圧でより高速でカーテンを引っ張れるような性能のものを選定しました。
ちなみにギアボックスが変わったので、ギアボックスに取り付けるプーリにも工夫をしています。
また、前回アルミテープで作っていたスイッチですが、動作が安定しないので市販のスイッチを使うことにしました。
次回は組み立て手順を紹介しようと思います。