磁気浮上装置の自作 1自由度系での実験
磁石で物を浮かばせたい
人間は飛ぶことができないからなのか、地に足を付けずに浮かぶものは神秘的な魅力を感じます。
そんな魅力的なものを作りたいと思ったので、今回の浮上装置自作プロジェクトを始めることにしました。
浮かばせる方法としてヘリウムを使う等がありますが、今回は磁石を使って浮かばせる方法でやっていきたいと思います。
浮上イメージとしては下の画像のような感じです。もう世の中にあるので、買えばいい話ですが、自作するのが楽しそうなのでチャレンジします。
1自由度系の磁気浮上装置を使った実験
磁気浮上装置の自作プロジェクトの最終目標は、何のガイドもない状態で磁石を空中に浮遊させることです。 しかし、いきなりそこを目指すのは難しいので、まずは上下方向の1自由度のみ動くことができる装置を作ってみました。
1自由度磁気浮上装置の構造
磁石(FLOAT)を磁石(BASE)で浮かせて、上下方向の制御を電磁石で行う構造としました。
磁石(FLOAT)にストローがついているのは、磁石(FLOAT)が筒の中で反転して磁石(BASE)とくっつかないようにするためです。
1自由度磁気浮上装置の実験で確認したいこと
電磁石の上に磁石(BASE)を置いた状態で磁石(FLOAT)が浮かぶかどうか
電磁石の上に磁石(BASE)を置き、磁石(FLOAT)を浮かせた状態で、上下方向に動かすことができるか
1自由度磁気浮上装置の必要材料・部品
上の構造図からもわかる通り、必要な部品はわずかです。
銅線:メッキされているもの
ボビン:100均で売っているもの
ストロー:細くて長くて磁石の端面にくっつけれるものなら何でも可
磁石:浮かばせる磁石(BASE)と浮かぶ磁石(FLOAT)の計2つ
クリアファイル
安定化電源
両面テープ
セロハンテープ
1自由度磁気浮上装置の作成方法
コイルの作成
銅線の端部をボビンの外に出した状態にして銅線をボビンに巻き付けます。
手で巻くのには限界があると思うので、最初手で巻いたあとは、電動ドリルを使って銅線をボビンに巻き付けます。
1個のボビンに巻き付けるだけで約10mくらい必要でした。
電線の太さと必要な長さの関係は別で記事にしようと思います。
巻き付け終わったら、銅線の両端部をやすって、被膜を取っておきます。
磁石(BASE)をコイルにくっくける
両面テープを使って磁石をコイルの上面にくっつけます。
透明の筒を作る
クリアファイルを適当な大きさに切って、セロハンテープで端部を閉じて筒を作ります。
このときの筒の直径は磁石(FLOAT)よりも少し大きめに作ります。
筒の直径が磁石(FLOAT)よりも小さいと、磁石(FLOAT)が筒の中に入りません。
また、筒の直径がぴったりだと筒と磁石(FLOAT)が接触して摩擦の影響を受けます。
さらに筒の直径が大きすぎると磁石(FLOAT)が傾いてしまいます。
磁石(FLOAT)にストローをつける
ストローの端部を切って広げ、両面テープを貼った磁石(FLOAT)の表面にくっつけます。
このとき、磁石(FLOAT)のストローがついてない方の面とコイルに付けた磁石(BASE)の表面が反発するように注意して下さい。
筒を磁石(BASE)付きコイルの上に乗せて、筒の中にストロー付き磁石(FLOAT)を入れる
筒をコイルの上にのせ、セロハンテープ等で固定します。
固定出来たら、浮かばせる磁石(FLOAT)を筒の中にそっと入れます。
この時点で、磁石(FLOAT)と磁石(BASE)が反発して磁石(FLOAT)が浮かぶはずです。(重力に対して磁力が小さかったら浮かばないかもしれません。)
銅線の端部を安定化電源につなげる
被膜をとった銅線の端部を安定化電源のプラスとマイナスに繋いでください。
後は電圧・電流値に気を付けながら安定化電源の電源を入れるだけです。
動作確認
実際に電源を入れて、コイルに電流を流すと磁石が上下するのを確認できました。
コイルの銅線に電流を流すと、磁石が下に下がる様子が左の写真、上に上がる様子が右の写真です。
このときの電流は2.5 A、電圧は3.2-3.3 Vでした。
まとめ
今回は1自由度系の磁気浮上装置を作りました。電磁石の上に磁石(BASE)を置き、磁石(FLOAT)を浮かせた状態で、上下方向に動かすことができることを確認しました。 具体的に流した電流は2.5 Aです。しかし、最終的に電磁石を制御することを考えると、2.5 Aは少し大きいです。 電流を下げると電磁石による磁力が小さくなってしまいます。そのため、コイルの銅線太さや長さを変えることで磁力を変えずに電流値が下げれないかを次回検討します。